北朝鮮の幼稚園は全寮制

　　今日はオプショナルツアーとなっており、我々は学校参観コースを選んだ。オプションとはいえ、どれにも参加せず自由行動というのは許されない。他には市内観光コース、ゴルフコースがあった。市内観光は既にある程度やっているのだが、更にディープな北朝鮮を見たいというかなりの人たちは「市内観光コース」に参加していた。北朝鮮くんだりまで来てゴルフなんてする奴がいるのかと思っていたら、ひとりだけいた。この人はおそらくどこかの社長さんだと思うのだが、何となく横柄な態度が目立つ嫌な野郎だ。あとで「コースはなかなか良かった」と言っていたので、まあまともなゴルフ場だったのだろう。 さて、最初に金日成総合大学へ行くはずだったのだが、何らかの都合で別の大学になってしまった。このことで他のバスではちょっとしたトラブルになったらしいが、我々は特にこだわりもないもんだからまあこんなもんだろうと気にならない。北朝鮮でスケジュールの変更は日常茶飯事なのだ。どうということのない大学であったが、体育館の床板が傷んでいたことが印象的であった。運動サークルで活動中の学生以外の姿は見せてくれなかったが、さして観光客に見せるに値しない施設に思えた。次は幼稚園。これぞ我々がいつもテレビで見せつけられる姿であった。我々が訪問する部屋ごとで、満面の笑みを浮かべた幼児が走り寄ってきて手を引っ張る。ままごと部屋であったりフォークダンス場であったりスイミングプールであったりするのだが、こちらが照れくさくなってしまう。中にはハッとするようなかわいい子もいたりするが、ハナをたれた子もいてむしろそっちの方に好感が持てる。しかしそんなお遊戯も、ひとしきり遊んだ後に先生が「パンパン！」という手拍子を打ち鳴らすと終わり。子供たちは礼儀正しく一斉に集まって手を振って送り出してくれる。興味深いのはどこの学校にも廊下に熊や鳥の剥製が展示されているということである。「これによって学習できるので動物園は必要ない」と案内員は言うのだが、何か違うんじゃないかなあ･･･。動物園楽しいのになあ。(^_^;) なお、この子たちは全寮制で週末に親が引き取りに来るという。こんな小さい子が親元を離れて暮らすなんてかわいそうに思うが、きっといいところのお坊ちゃんお嬢ちゃんの集まりなのだろう。北朝鮮風に言うと「成分のよい子供たち」ということになろうか。

　こんな風にしていくつか学校を回ったのだが、私の悪いくせで旅行の終盤になると文章の記録が残されていない。お詫びのつもりで「なにものも見逃すまい」とばしゃばしゃ撮りまくった写真をどうぞ！